ゴルフクラブの中でも
意外なほど おざなりにされてしまうのが
アイアン『セット』のセッティングです。
現在は フェアウェイウッドやユーティリティの影響
アイアンのストロングロフト化の影響で
セットのスタートは 5番、もしくは6番アイアンに
なっています。
✋基本、クラブのセッティングというのは
シャフトの硬さの流れ というのが一番重要でしょうね
アイアンの番手間は通常、半インチ 約1.25㌢ です。
通常 この番手間のライ角度は 1度 となっていますが
例えば 5番を 60度 に設定すると一般的なスペックでは
#6 61度 ハミングバードスペック 60.5度
#7 62 ハミングバードスペック 61.0
#8 63 ハミングバードスペック 61.5
#9 64 ハミングバードスペック 62.0
PW 65 ハミングバードスペック 62.5
となり ウエッヂが65度と非常にアップライトです。
ゴルフクラブは ライ角度とフェース角度の関係上
同じ「ライ角度」であっても ロフトが寝ている方が
フェースは左を向いていますので
大きなロフトほど左に行き易いですから
あまり アップライトなものは良くありません。
逆にウエッヂからすると ロフトの立ったクラブは
フラットですから 右に行き易いスペックです。
軟鉄鍛造…という事もあり
弊社のスペックは半インチ0.5度ライ角度差。
PW.PS(AW).SW は
作られる方にもよりますが 1/16~1/8インチ差(長さ)で
ライ角度は 0.25度の変化を持たせています。
✋②のシャフトの流れ につながりますが
ライ角度 の流れ の重要な点は
その「セット」が 同じシャフトの硬さ であるコト、
長さが変わっても シャフトの硬さの流れが出ているコト、で
シャフトの硬さの流れがバラついていたら
ライ角度(の数値)が流れていても 意味がありません。
ライ角度がバラついているのと同じ です。
ソコを無視してしまうと ライ角度の使い方 も勘違いしがち。
✋✋✋注意が必要です✋✋✋
これは市販のクラブは酷いですねー。
軽量スチールだけでなく、グラファイトのモノも酷いです。
ライ角度の欄でも書きましたが、
シャフトの長さ変化による 硬さの変化は
短くなる程 数値は多くなります。 150➟155➟160
元々のシャフトの硬さやそのシャフトの性格などにも
よりますが、 振動数280cpm辺りですと
番手間の振動数差は 6~8cpm 位でしょう。
ところが 多くの市販セットは
短くなる程 急激に硬くなり(数値が多くなるものが多く)
また 番手間によっては 数値が隣の番手と
くっ付いているものも少なくありません。
フルショットで使う頻度の少ないウエッヂの方が
セットの中で『硬い』というのは使いやすい状態ではないですね。
重量のあるスチールシャフトでも起こる製品誤差ですが、
軽量スチールシャフトだとそのバラツキはより激しいですね。
250cpm 位では 5~7cpm
220cpm 位では 4~6cpm
190cpm 位では 3~5cpm
160cpm 位では 2~4cpm
シャフトの硬さが落ちてくると(柔らかくなってくると)
1cpmの意味が大きくなってきますから
280cpmの時は 1フレックス(RシャフトとSRシャフト)
の差は 10cpm位ですが、
220cpmでは それは8cpm
160cpmでは それは6cpm と考えてよいでしょう。
柔らかいものほど微妙なセッティングが必要になります。
残念ながら 市販のアイアンセットは
それがスチールシャフトであっても
その点においては ほぼ全品失格です。
…精密機器のレベルであれば 販売不適合の可能性すらあります。
数値として ロフト角度が流れていた、としても
余程のマッチョなゴルファー、酷いスイングでない限り
例外なく 番手の中で柔らかいシャフトが入っている
セッティング的に柔らかくなっちゃっている番手 が
打ち易い番手で、飛ぶ番手です。
アイアンの番手間の ロフトは3~4度 ですが、
これも『シャフトの硬さの流れ』がちゃんとしてないと
意味をもたなくなってしまいます。
見てくれやキャビティのデザインでなく
こういう所が セットのセッティングなのですが、
どう考えているのでしょうか…。