【スイング再生工場】絶滅危惧種のゴルフクラブ造ります

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ゴルフクラブの変遷とスイング

今の若い方は知らないかとは思いますが、
昔… 30年位前までは
ウッドは その名の通り 木製…木でした。
素材の多くが 柿の木 なので
通称「パーシモン」とも呼ばれていました。

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ボールとの相性もありますが、
現在のゴルフスイングで
この パーシモンドライバーを打ってみると
おそらく 100ヤード強しかキャリーしないでしょう。

まあ 知られていない話ではありますが、
実は このパーシモンのウッド
反発係数は軒並み0.9以上、殆ど例外なく
すべてルール適合外の数値。


反発係数概念とはインピーダンス理論
衝突する双方の物質の 歪み・振動数マッチ
の事を指します。

ヘッドの歪み、振動数、硬さ、剛性と
ボールの歪み、振動数、硬さ、剛性が近ければ近いほど
ボールは歪みにくくなり、打撃力がよりボールの速度に
なり易くなります。
しかし、打撃力そのものは ヘッドの重量×ヘッドの移動速度
に比例しますから、ボールの速度が速くなる分
ボールの回転は減ります。

 ✋昨今の必要以上に煽って、上を向いて打つ打法 は
  作為的な「高打ちだし・低スピン」から生まれています。

反発係数の数値の高い パーシモン素材のウッド は
ボール速度は速くなりますが、極端にスピンが少なく
キャリーが生みにくいので
ドライバーのロフトは 12度~13度 は当たり前でした。
それでも ボールは上がりにくいので
ボールに如何にスピンを与えた上で真っ直ぐ飛ばす…というのが
スイング・ショットのテーマでした。
ですので それがかの有名なベンホーガンのスイングです。
(本人の理論ではないのですが…ね)

今の主流な打ち方では よほどヘッドスピードが高くないと
なかなか キャリーボールを生み出しにくいでしょう。


〇ウッドに使える良質な柿の木-原料の減少
〇ゴルフ人口の増加
〇ウッドを削る技術者不足
〇工業化による大量生産時代

などに伴ない、ウッドは金属質に変わっていきます。

初期の頃のメタル(金属)ヘッドは
ボールの当たる衝撃を逃がす構造に無く
単に 素材だけを金属に変えたパーシモン形状
だったので ものすごくよく破損しましたねー。

特にネック廻りの破損が多かった、酷かったコトから
ネック廻りを強く、素材や厚みを増やしたため
メタル初期時代のウッドヘッドは
木製時代のウッドヘッドよりも かなり重心距離が短く、小振り、
25㎜前後だった重心距離は 一気に15㎜前後に
今で言う体積、容積もかなり小さなモノになりました。

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金属質とゴムのボールの関係は
木製ウッドとゴムのボールの関係とは違い、
極端にインピーダンス、歪み率の異なる素材です。
よって ボールばかりが歪むようになり
それは ボールの速度低下→スピン増加 を生み出し
パーシモン当時のウッドロフトでは
上がるばかりで、距離が激減します。
それが 9度や10度などの
現在主流になっているロフトが定着するキッカケとなったのです。


本当は そこはインピーダンス理論を用い
ヘッドを壊さず、剛性は保ったまま 歪ませる方法が
今となっては良かった と思いますが、
当時の工業技術力では不可能に近かったと思います。
量産も出来ないでしょう。
また、削りなどの特殊技術を省ける鋳造、
キャストの技術により 量産することが出来、
世界中に飛躍的なゴルフ人口(ブーム)を生み出したとも言えます。

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パーシモン当時は
スピンを増やす、出来るだけボールにスピンを与える
というのがスイング・ショットのテーマでしたが
ヘッドが金属製になり
スピンを減らす・出来るだけボールにスピンを与えない
というのが スイング・ショットのテーマとなりました。

パーシモンを活かす打ち方では金属製ヘッドは飛びません(スピン過多)し、
金属製ヘッドを活かす打ち方ではパーシモンは飛びません(スピン不足)。

スピンを増やす打ち方よりも
スピンを減らす打ち方の方が
打撃方法としてはシンプルで覚えやすく、
打撃の技術力に左右されにくいので
多くの人が実行可能です。
大型ヘッドを造り易く、構造や形状の自由度の高い
量産型金属製ドライバーは
ゴルフの発展にとても寄与したと思います。