クラブ診断をすると、
ものすごく よく有る例で… あまり口にはしませんが
『悩んでいるなら…辞めた方が良いのに…。』
と言うモノの 代表例があります。
それは…
ウエッヂのみを『スチールシャフト』にするコト です。
気持ちは分からない訳ではありません。
●シャフトが重い方が 安定するんじゃないか…
●飛ばさないクラブだから…
おそらく そのケースの殆どがこの二点なんだと思います。
答えから言えば
シャフトが重く なったコト で
スイングが、アプローチが、安定する なんてコトは
よほど 一方の軽い方のシャフトが 30gや、40g以下
のようなケースとの比較でない限り、
スイングに影響を与える差 ではないです。
ないですが、 気持ちの点も含め、重い方が安定する効果は
無いとは言い切れません。 その点はわかります。
ウエッヂ…アプローチショットが『飛ばさないクラブ』なのは嘘ではない…ですが、
アイアンの カーボン~グラファイト と スチールシャフト の
距離の差は そのシャフトバランス構造 から起こる ヘッド重量の差
が始まりです。
強度が必要で、シャフト先端が重くなってしまい
重いヘッド装着が難しいスチールシャフト
設計の自由度が高く、シャフト先端を重くせず、
強化出来るグラファイト(カーボン)
かつては良心的なメーカーさんでは
長さ分も含めると 大きなもので20gのヘッド重量差、
シャフトの先端径や形状にも違いがあったので
アイアンヘッドには スチールシャフト用、グラファイトシャフト用
の二種類がありました。
今は ゴルフクラブが売れず、
特にアイアンセットは売れませんので
シャフトのバランスも スチールであっても、グラファイトであっても
殆ど似たようなモノ シャフトの先端径や形状も同じにして
コスト半減の為、統一規格に近いモノ になっています。
ですので シャフトの重さ、シャフトの材質に関係なく
ヘッドの重量は同じ。
グラファイト(カーボン)だから 飛ぶ なんてコトは一切ありません。
都市伝説、ソノモノです。
アイアンシャフトのウエッヂだけを『スチール』にする、
その最大の問題点は シャフトの硬さ にあります。
グラファイト(カーボン)シャフトの方が
"素材"として 柔らかい訳 ではありませんが、
使う人のニーズ、購入される対象の年齢なども鑑み、
やや硬めのスペック SRクラスで #5アイアンで260~265cpm位
ですので バラつきがなく、流れていると仮定し
その流れのPWは285~290cpmです。
#5-260
#6-265
#7-270
#8-275
#9-280
PW‐285cpm グラファイト(カーボン)
SW-340cpm スチール
ところがここに スチールシャフト、
機種によって異なりますが、代表的なダイナミックゴールド
まあ そう言う構成を選ぶ方は
ウエッヂのシャフトにR-シャフトは採用しないから
ダイナミックゴールドのS-シャフトを採用すると
シャフトの硬さは 一気に 330~340cpmを越えたりします。
飛ばさないクラブ、振らないクラブである ウエッヂが
いきなり 40cpm も 50cpm も硬くなるのです。
速く振って解決し難いウエッヂが硬くなる のです。
一般的に ヘッドスピードとシャフトの硬さ は関係している
と思われている訳ですが、飛ばさない~振らないクラブ の方が
シャフトが硬いのです。 コレ、まずいでしょー。
逆に、安定しにくくなるんじゃないですか
で………なんですけど、(ここからが本題ですが…)
コースではですね、 その振動数340cpmを超えるウエッヂ
それを使った後は パッティングを挟んで ドライバーなのです。
ドライバーを打つ前に一回 一番硬いシャフトで練習している
とも言える状態になる訳です。
先日も書きましたが、クラブの中では売値に関係なく
ドライバーはまだ商売になる状態ですから、
売るために どんどん柔らかくしています。
46インチで SR表記、振動数220cpm、220台なんてモノも
ちらほら見かけます。
●120cpm硬い 340cpmのウエッヂを使った後で
120cpm柔らかい 220cpmのドライバー打ったら
成功し難いですよね。
幾らなんでも 差が大き過ぎます。
ですので、お悩みのドライバーの問題点 は
そこだったりするんですけど、
まあ そう説明しても、聞いてくれない って言うか
自分の欲しい回答ではないので 咀嚼してくれないですね。
アイアン、特にウエッヂに合わせると
ドライバーのシャフトは 280cpmを超えるモノ
220cpmを基準にすると 5フレックス xxxトリプルエックス
みたいなものになっちゃいます…
それ、幾ら何でも解決法とは呼べない、最悪の対処法になっちゃいます。
ま、でも ウチではなく(お薦めしませんので)
他店さんでリシャフトするんでしょうね。
ま そうやって クラブセッティング と スイングはごちゃごちゃになっていく訳です。