一般的な「飛距離不足」のメカニズムとは
どういうことなんだろう。

それはこういう事なのです。

ロブショット…ってわかりますか?
グリーンは目の前にあるんだけど
木があったり、グリーンがすごい傾斜だったり と
どうしても 距離に対してとても高い弾道や特殊なスピンを
必要とする場合に行う まあ本当に特殊なショットです。
遊びのギャンブル的な感じで
ロブショットをするのは楽しいですけど、
スコアなり、成功率なりを考えると
そのショット以外に選択肢がない時点の方が問題な訳で
出来れば選択したくないショットです。
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プロの試合でもたまに出てきますが
そのさまを見たことがありますか?

そうですね 30もしくは50ヤードを打つのに
かなり 大きくしかも速く振ります。
技術的にも
 ロフトを寝かして
入射角度も緩め
ボールの底をこするように振って
ボールの初速は出さずに 
打ちだしの弾道を高くする特殊なショットで
ショットの中では最難易度
 
と言ってもいいほどのものです。

ウエッヂのヘッドスピードは
ドライバーのヘッドスピード 40㎳の人が
フルショット 70ヤード位のショットを打つのに
25~30㎳弱位です。
ウエッヂで 30ヤードに普通に打つとしたら
ヘッドスピードは20㎳も要らないでしょう。
ところがロブショットの場合は
30ヤードを打つのにも 25~28㎳は不可欠です。
また ロフトが非常に寝ている状態を作り出し
緩い入射角度という クラブの機能を無視するような
使い方をするので 大ミスの可能性だけでなく
プロの練習量をもってしても
均一な距離、弾道を打つのは至難の業で
ショットの中では 曲芸に近いギャンブルショットです。

もう…この展開からお分かりと思いますが
一般の多くのアマチュアがアイアンであっても
ドライバーであっても
ロブショットを打とうとしています。


故にヘッドスピード信仰に陥るのです。
アプローチに限りませんが、飛ばしたいというよりも
ロブショットをショットの基礎としている限り
速く、大きく振らないと距離が全然出ませんし、
ミスが出やすいショットではあっても、
そのミスを防ぐというか、隠すのもスピードなのですから…。

ロブショットですので ヘッドスピードを45㎳にしても
ちゃんと「普通にショットする」37㎳の人を同等
もしくはそれ以下しか飛びません。
ショットの難易度も 普通にショットするものに比べると
数倍以上 毎回偶然待ちのような状況…です。
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まあ 究極のインテショナルこすり球 なのですが

クラブの基本機能である 長い棒の先に重さのある
という機構を無視して振るので
スイングの度に そのクラブの作り出す不可抗力の為
体の姿勢が変わってしまいます。
これが ロフト角度や入射角度の関係を
毎回 毎回変えてしまうので
前述のとおりミスだけでなく、同じような球は打てません。

転がしても寄せられるシチュエーションの時でも
上がるアプローチショットを選択している人は
この点 要注意です。


ふり幅で距離を調整するべき とは思いませんが
最低限のヘッドスピード、最低限のスイング幅で
狙いの距離を打てた方が安定度も高く
逆にそれが ショット全体の距離の棚上げにもなるのです。

ショットはアプローチ、パターストロークも含めた
アプローチから改善するべきだと思います。