場末の極小ゴルフショップの親爺が
ちょっと 現代のゴルフクラブについて
つぶやき…? ぼやいてみましたので
暇つぶしの聞き流してください。

スナップショット 1 (2016-11-26 1-11)


最近のゴルフクラブ
悪い意味で
「ここまで来てしまったかー」という感が
非常に強く、ゴルファーは新しいクラブを待望する、
新しいクラブが出ると試打会にはせ参じたり、
カタログを取り寄せたり…なんてことは皆無になりつつ
あるのでは と危惧しています。
正直 誰も期待していない状況です。

日本のゴルフメーカーの多くは
それ(ゴルフ)をメインの生業にしていません。
殆どが 事業部 です。
ゴルフばかりでなく、小売り一般にモノ余り、もの溢れ、
の状態ですから、御多分に漏れず ゴルフ用品も
売れていません。

約20年前に セイコーのSヤードT-301という
化け物商品がありました。
良い時代…という背景も当然ありますが、
日本国内で すべての
メーカーの
ドライバーだけでなくウッド総まとめにしても
5年かけても 到底追いつきません。
10年分に匹敵するかも…です。
その SヤードT-301には
3と1/2とか 7と1/2 なんて変な番手の
フェアウェイウッドがありましたが、
昨今 売れていると呼ばれているドライバーは
その フェアウェイウッドのひと番手 の半分
いえ 1/3も売れていないのが現状です。

そうなると やはり 事業部としては
販売総額よりも やはりコスト意識が高まるようで…

スナップショット 2 (2016-07-03 0-22)


知っているかもしれませんが、
ネックのいじれる ロフトの変えられるドライバーは
そのコスト意識から生み出されています。

従来ですと、新商品が出た場合
注文数に応じて、大きなお店には試打クラブが提供されます。
9度/10度のロフト
 R..SR..S.. のシャフト
となると 少なくとも 4本くらいは試打を提供しなくては
なりませんでしたが、ネックのいじれるタイプのものであれば
ヘッドは1個
シャフトは3本 で済みます。
半分以下にコストを下げられたわけです。

提供するお店は 500店舗以上 1500店舗位ありますから
このコスト削減は天才的… と思いそうですが、
決してそうではありません。


ゴルフクラブにとって
 ロフト・・・というのは 最も重要な要素、機能の一つです。
 このネックをいじって ロフトを変える発想は
 基本 ヘッドを回転させることにありますので、
 ヘッドを回転させて打つ ことを促すことになり、
 その打ち方では ロフトは何を選んでも同じ です。
 練習量の多い人には問題は無いですが、
 練習量が少ない人にとってはとても問題です。

 また ロフトを選ぶ というのも
 ゴルフクラブ選びの楽しみの一つであったのに
 それを自ら殺してしまいました。

 ロフトが合わなかったら、買い替えたりする人もいる訳で
 そのようなゴルファーに良心的に対処する方が
 双方にとってメリットがある筈です。

 しかし 売り手自ら
 ロフトなんてどうでもいいんだ
 どれを選んでも同じだよ と言ってしまったら
 身もふたもなく、その商品はいずれ・・・
 いえ、そんな遠くない日、自らの首を絞めます。
 
それと付け加えますが、
ネックのいじれるゴルフクラブ退化しています。
ゴルフクラブの進化は 基本、慣性モーメントの進化です。
モーメントとは アイアンで言うと大型化、キャビティ化
ウッドで言うと チタン素材になり大型化すること、
重量が 出来るだけ遠くの周辺に配分されていることで
重量がどこか局所に集まっては その意味はありません。
ネックがいじれるタイプのモノは
ゴルフクラブにとって もっと重量の欲しくないネック部に
重量が集まってしまう・・・これではパーシモン時代と同じ。

ユーザーに選択の余地が少ないとは言え
それをもっともらしく有難がる…のは
なんだか とても滑稽です。



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それとともに 
どこのメーカーも「えせアスリート志向」が強く
とても鼻につきます。

これは私感ですが、
ゴルフをやりたい人の多くは
アスリートしたくない、もしくは、しなくてもいいから
ゴルフを選んで遊んでいる訳で
本当にアスリートしたかったら マラソンしたり
フットサルしたり、トライアスロンを選ぶでしょう。

健康を維持したい、と、アスリート志向は別なものですし
アスリートは「望むなら若返りたい」 という意味合いの方が
意識として強いと思うのですが…。

ビジネスとして言うのなら
ゴルフの中で その「えせ」アスリート志向を持っている人は
放っておいてもゴルフクラブ買い替えます。

健康でいたい けど 本気でアスリート…と呼ばれるまでは
というゴルファーは9割近いのではないでしょうか?

その9割のゴルファーは
願望として 体育会系、アスリートはあこがれますが
実情 楽して飛ばしたい程度 の意識なので
アスリート志向の強いクラブは
完全にミスマッチだと思いますけどね…。

まあ 下衆な勘繰りですが
ゴルフブームの頃の ゴルフ部出身の人が
そのイメージのまま、えらくなって
新商品の開発してる そんな風に感じます。
1割に満たない 放っておいても買い替える層の為のクラブを
残りの9割に売ろうとすれば そりゃ 売れませんわ。